木造住宅における気密試験(気密測定)は、その住宅がどれだけ外気と遮断されているか、つまり「隙間がどれだけあるか」を数値で確認するための試験です。特に高気密・高断熱住宅では、快適性や省エネルギー性能を確保する上で非常に重要な工程です。
隙間があると暖かい(または冷たい)空気が逃げてしまい、断熱材の効果が大幅に低下します。
②結露・カビの防止
隙間から湿気が壁内に入り込み、壁内結露を起こして構造材が腐食するリスクがあります。
③計画換気の効果発揮
換気設備が正しく機能するためには、室内が密閉されている必要があります。
④省エネ性能の確保
隙間風で冷暖房効率が落ち、電気代が高くなることを防げます。
出入口に「ブロワードア」(大型の送風機と測定装置)を設置します。
②住宅を減圧(または加圧)
ファンを使って屋内の空気を外に出し、建物内を-50Paの減圧状態にします。
③空気の流入量を測定
このときに外部から流入してくる空気量を測定し、住宅全体の隙間面積を推定します。
④C値を算出
測定データから以下の式で「C値」を求めます。
C値(㎠/㎡)= 隙間相当面積(㎠) ÷ 延床面積(㎡)
・次世代省エネ基準:2.0以下
・高性能住宅(高気密):1.0以下
・パッシブハウス級:0.3以下
・問題が見つかれば隙間の再施工(気密処理)が可能。
・測定後に気密測定報告書が発行されることが多い。
コンセントボックスや配管周囲の処理
・天井・床・壁の継ぎ目の気密テープ
・棟梁や現場監督の技術力・施工精度
木造住宅は、構造上「隙間」ができやすいのですが、設計段階と施工段階でしっかりとした気密処理をすれば、高い気密性を実現できます。断熱材だけでなく、気密性能の確認(C値測定)を設計・施工の一環として取り入れることが、省エネで快適な住宅づくりに欠かせません。
さらにC値の計算例や、実際の測定レポートの見方なども詳しく説明します。
C値(隙間相当面積/床面積)= 建物に存在する隙間の面積(㎠)を延床面積(㎡)で割ったもの。
計算の具体例
測定結果
・測定された隙間相当面積:150c㎡
・延床面積:120c㎡
C値の計算
C値=隙間相当面積÷延床面積
C値=150c㎡÷120c㎡=1.25c㎡/㎡
→この場合のC値は1.25c㎡/㎡になります。
・目安の評価
・5.0以上:気密性が低すぎる(隙間だらけ)
・2.0程度:標準的な省エネ住宅水準
・1.0以下:高気密住宅(良好)
・0.5以下:非常に優秀(ZEH~パッシブ)
◇一般的な気密測定報告書の構成と読み方
・測定日時、場所:測定の実施日と住所など
・建物の構造、階数:木造2階建て、RC造など
延床面積(㎡):C値算出に使用される面積(屋外の吹抜け等は含まれない)
・隙間相当面積(αA)c㎡:測定で得られた「家全体の隙間の合計面積」、この数値が小さいほど良い
・C値(c㎡/㎡):αA÷延床面積で算出、家の気密性の中心的な指標
・△P(Pa):圧力差、一般的には-50Paで測定される
・漏気量(㎡/h):家全体から漏れている空気の体積(ファンが排出した量)
・相当隙間長(L値):壁1mあたりにある隙間の合計長さ(一般的には参考程度)
・グラフ(風量-圧力差):測定時の風量と圧力差の関係を表すグラフ。線が直線に近いほど信頼性が高い。
◇チェックすべきポイント
・C値:最重要指標、1.0以下が理想
・・測定条件:-50Paでの測定か?開口部の閉鎖状況は適切か?
・測定場所と日付:正しい建物かどうか(間違った現場の測定報告が紛れないように)
・備考欄:測定時の問題点や異常などが書かれていることもあります
◇測定報告書のイメージ(構成の例)
▲気密測定報告書
- 測定日:2025年8月10日
- 測定場所:○○県○○市○○町
- 建物構造:木造軸組工法2階建て
- 延床面積:115.0㎡
- 隙間相当面積(αA):80㎠
- C値:0.70㎠/㎡
- 測定圧力差:-50Pa
- 測定器:X社 BlowerDoor
- 測定実施者:株式会社○○ 計測技術者 △△
▲コメント
開口部全閉、測定環境正常。施工精度高く良好な気密性。
・測定後の報告書は、住宅性能証明やZEH申請等に利用できることもあります。

目次
気密試験とは?
気密試験(気密測定、Blower Door Test)は、住宅の隙間面積(C値)を測定する試験です。住宅の全ての開口部(窓やドア)を閉じた状態で、専用のファンを使って室内外の気圧差を作り、その時の空気の流れから隙間の量を測定します。木造住宅で気密性が重要な理由
①断熱性能の向上隙間があると暖かい(または冷たい)空気が逃げてしまい、断熱材の効果が大幅に低下します。
②結露・カビの防止
隙間から湿気が壁内に入り込み、壁内結露を起こして構造材が腐食するリスクがあります。
③計画換気の効果発揮
換気設備が正しく機能するためには、室内が密閉されている必要があります。
④省エネ性能の確保
隙間風で冷暖房効率が落ち、電気代が高くなることを防げます。
測定方法の概要
①測定機器の設置出入口に「ブロワードア」(大型の送風機と測定装置)を設置します。
②住宅を減圧(または加圧)
ファンを使って屋内の空気を外に出し、建物内を-50Paの減圧状態にします。
③空気の流入量を測定
このときに外部から流入してくる空気量を測定し、住宅全体の隙間面積を推定します。
④C値を算出
測定データから以下の式で「C値」を求めます。
C値(㎠/㎡)= 隙間相当面積(㎠) ÷ 延床面積(㎡)
C値の基準値(参考)
・一般住宅(無対策):5.0以上(非常に多い)・次世代省エネ基準:2.0以下
・高性能住宅(高気密):1.0以下
・パッシブハウス級:0.3以下
測定時期と注意点
・気密処理完了後(内装前)に測定するのが理想。・問題が見つかれば隙間の再施工(気密処理)が可能。
・測定後に気密測定報告書が発行されることが多い。
気密性向上のポイント
・サッシやドアの気密性コンセントボックスや配管周囲の処理
・天井・床・壁の継ぎ目の気密テープ
・棟梁や現場監督の技術力・施工精度
木造住宅は、構造上「隙間」ができやすいのですが、設計段階と施工段階でしっかりとした気密処理をすれば、高い気密性を実現できます。断熱材だけでなく、気密性能の確認(C値測定)を設計・施工の一環として取り入れることが、省エネで快適な住宅づくりに欠かせません。
さらにC値の計算例や、実際の測定レポートの見方なども詳しく説明します。
C値の計算例
・C値とは?C値(隙間相当面積/床面積)= 建物に存在する隙間の面積(㎠)を延床面積(㎡)で割ったもの。
計算の具体例
測定結果
・測定された隙間相当面積:150c㎡
・延床面積:120c㎡
C値の計算
C値=隙間相当面積÷延床面積
C値=150c㎡÷120c㎡=1.25c㎡/㎡
→この場合のC値は1.25c㎡/㎡になります。
・目安の評価
・5.0以上:気密性が低すぎる(隙間だらけ)
・2.0程度:標準的な省エネ住宅水準
・1.0以下:高気密住宅(良好)
・0.5以下:非常に優秀(ZEH~パッシブ)
気密測定報告書の見方
気密測定を行うと、施工会社や第三者機関から「測定報告書」が発行されます。ここにはいくつかの専門的な用語・数値が載っているので、代表的な項目をわかりやすく解説します。◇一般的な気密測定報告書の構成と読み方
・測定日時、場所:測定の実施日と住所など
・建物の構造、階数:木造2階建て、RC造など
延床面積(㎡):C値算出に使用される面積(屋外の吹抜け等は含まれない)
・隙間相当面積(αA)c㎡:測定で得られた「家全体の隙間の合計面積」、この数値が小さいほど良い
・C値(c㎡/㎡):αA÷延床面積で算出、家の気密性の中心的な指標
・△P(Pa):圧力差、一般的には-50Paで測定される
・漏気量(㎡/h):家全体から漏れている空気の体積(ファンが排出した量)
・相当隙間長(L値):壁1mあたりにある隙間の合計長さ(一般的には参考程度)
・グラフ(風量-圧力差):測定時の風量と圧力差の関係を表すグラフ。線が直線に近いほど信頼性が高い。
◇チェックすべきポイント
・C値:最重要指標、1.0以下が理想
・・測定条件:-50Paでの測定か?開口部の閉鎖状況は適切か?
・測定場所と日付:正しい建物かどうか(間違った現場の測定報告が紛れないように)
・備考欄:測定時の問題点や異常などが書かれていることもあります
◇測定報告書のイメージ(構成の例)
▲気密測定報告書
- 測定日:2025年8月10日
- 測定場所:○○県○○市○○町
- 建物構造:木造軸組工法2階建て
- 延床面積:115.0㎡
- 隙間相当面積(αA):80㎠
- C値:0.70㎠/㎡
- 測定圧力差:-50Pa
- 測定器:X社 BlowerDoor
- 測定実施者:株式会社○○ 計測技術者 △△
▲コメント
開口部全閉、測定環境正常。施工精度高く良好な気密性。
実測結果を活かすために
・測定結果が 基準値を超えていた場合(C値が高すぎる) → どこに隙間があるかを現地で確認して、再施工(パッキン追加、テープ補修など)します。・測定後の報告書は、住宅性能証明やZEH申請等に利用できることもあります。
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