匠のコラムColumn

住宅ローンの審査では、申し込んだ人の返済能力や信用度をチェックするため、以下のようなポイントが考慮されます。

住宅ローン審査でみられること

①年収と収入の安定性
年収がローンの借り入れ可能額を決める重要な要素です。年収が高いほど、借りられる額も増えますが、収入の安定性が重要です。例えば、正社員としての雇用形態や職業の安定性、ボーナスなどの変動収入が安定しているかどうかが見られます。

②返済負担率
返済負担率(または「年収返済比率」)は、年収に対する年間の返済額の割合を示すもので、一般的には年収の25〜30%以内が望ましいとされています。これを超える返済負担率だと、ローンの返済が難しくなる可能性があるため、審査で不利に働くことがあります。

③信用情報(信用スコア)
金融機関は、信用情報機関を通じて申込者の過去の借り入れや返済履歴を確認します。過去にローンの延滞や債務整理などがあると、審査に通りにくくなります。逆に、信用情報が良好であれば、審査がスムーズに進むことがあります。

④借入金額と借入先
申込者が他に抱えている借入金額(例えば、クレジットカードのリボ払い、他のローン)や、どのような金融機関から借りているかも審査の一環です。他のローンの返済がすでに多い場合、新たに住宅ローンを返済する余裕があるか慎重に判断されます。

⑤雇用形態と勤務年数
• 雇用形態(正社員、契約社員、自営業など)や勤務年数も審査に影響します。正社員として安定した勤務年数が長いと評価される傾向があります。自営業やフリーランスの場合、収入が不安定と見なされることがあるため、安定性を証明できる資料が求められることがあります。

⑥頭金
頭金の額も審査に影響します。一般的に、頭金を多く入れると、借入額が少なくなるため、金融機関はリスクが少ないと見なします。頭金が多いほど、審査に通りやすくなることがあります。

⑦物件の価値
借りたお金で購入する物件の価値や状態も重要です。物件の査定を行い、売買価格が妥当か、将来的に価値が下がりにくいかがチェックされます。例えば、立地や築年数、建物の状態などが評価されます。

⑧返済期間
ローンの返済期間も審査の要素です。長期間の返済期間を選ぶと月々の返済額が少なくなりますが、総支払額が増えます。一方、短期間だと月々の返済額は高くなりますが、総支払額は少なくなります。金融機関は、返済期間が借り手の年齢やライフプランに合っているかを確認します。

⑨将来の生活設計
一部の金融機関では、将来のライフプラン(例えば、出産や子どもの教育、転職など)を考慮に入れることもあります。将来的に収入が増える見込みや支出が増加する可能性がある場合、これを加味して審査します。

⑩金利タイプ
変動金利や固定金利、期間固定金利など、選択した金利タイプも審査に影響します。変動金利を選ぶ場合は、金利が上昇した場合にも返済が可能かどうかも審査されます。

まとめ

住宅ローンの審査では、年収や信用情報だけでなく、借り手の返済能力や将来の生活設計、物件の価値など多角的な視点から判断が行われます。申込者の返済負担が過度にならないように、金融機関は慎重に審査を行いますので、事前に自身の返済能力をしっかり確認することが大切です。

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