前回、住宅ローンとはどういうものか、またどういう種類があるのかという、いわば概略についてお話ししました。
住宅ローンの借入額と返済計画を立てることは、人生の中で重要な決定の一つですので、より最適な方法で計画を立てたいものですよね。ではどのくらい借りて月々いくら返すのが理想的なのかについて今回はお話ししようと思います。
ただ、年収だけをベースにして購入を検討することはあまりお勧めできません。住宅金融支援機構が行った2022年の統計調査では新築一戸建てで年収の6.9倍、新築マンションで7.2倍、中古一戸建てで5.7倍、中古マンションで5.9倍という結果が出ています。あくまで参考程度の数字ですが年収の5倍~7倍が平均予算という目安でしょう。
ただし、当然全額ローンという事は限りません。貯蓄や補助金、またはご両親からの援助金なども考えられる方もいるかもしれません。(参考までにですが、住宅購入に関しては両親からの援助金は1,100万円まで非課税となります)そういった金額をなるべく多くして借入金を抑えることは一つのポイントです。そして肝心の住宅ローンですが、借入額はあなたの収入、支出、信用情報、頭金の額、金利、返済期間などの要素によって決まります。以下に、具体的な計算方法と考慮すべきポイントを挙げてみましょう。
収入と支出のバランス
まず、年収から借入可能額を計算します。一般的には、年収の30%を上限として住宅ローンの年間返済額を設定することが推奨されています。
例えば、年収が500万円の場合、年間返済額は最大で150万円(月々約12.5万円)となります。また、他の借入金や支払い義務を考慮に入れ、総支出が年収の50%を超えないようにすることが重要です。これにより、生活費や緊急時の費用も十分に確保できます。
信用情報の評価
金融機関は、借入者の信用情報を元に融資判断を行います。過去の借入履歴や返済状況が良好であるほど、高額な借り入れが可能になります。信用情報を改善するためには、クレジットカードの利用履歴を良好に保ち、定期的にローンの返済を行うことが重要です。
頭金の額
住宅購入時に支払う頭金の額が多いほど、借入額は少なくなり、返済負担も軽減されます。一般的には、物件価格の20%程度を頭金として準備することが推奨されます。例えば、物件価格が4000万円の場合、頭金は800万円程度が理想です。
返済期間の設定
返済期間は、一般的に30年から35年が多いですが、短期間で返済することで総返済額を減らすことができます。例えば、30年ローンの場合、毎月の返済額は少ないですが、総返済額は多くなります。一方、15年ローンの場合、毎月の返済額は多くなりますが、総返済額は少なくなります。
金利の選択
金利には、固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は、返済期間中の金利が一定であるため、返済額が安定しています。一方、変動金利は、市場金利に応じて金利が変動するため、返済額が変動します。長期的な安定を望む場合は固定金利を選択し、短期間での返済を計画する場合は変動金利を選択することが一般的です。
返済方法の選択
返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。元利均等返済は、毎月の返済額が一定であるため、計画が立てやすいです。一方、元金均等返済は、初期の返済額は多いですが、元金が減るにつれて返済額も減少するため、総返済額が少なくなります。
総返済額の把握
当然ですが借入額、金利、返済期間を元に、総返済額を計算し、無理のない範囲で計画を立てることが重要です。
また、臨時収入などがあった場合など積極的に繰り上げ返済を行うことで、総返済額を減らすことができます。
生活費の確保
住宅ローンの返済額だけでなく、日常の生活費や緊急時の費用も考慮に入れ、収入と支出のバランスを保つことが重要です。急な支出や収入の変動にも対応できるように、余裕を持った返済計画を立てましょう。年収の25%を目安に返済額を設定すれば余裕をもって返済していく事が出来ると思います。返済額が30%程度になるとちょっと厳しく35%になるとかなり節制した生活を送らなければならないのではないでしょうか。
資産の運用
頭金や繰り上げ返済に充てる資金を効率的に運用することで、総返済額を減らすことができます。例えば、定期預金や投資信託など、低リスクで運用できる金融商品を活用することも一つの方法です。
住宅ローンの借入額と返済計画を立てることは、人生の中で重要な決定の一つですので、より最適な方法で計画を立てたいものですよね。ではどのくらい借りて月々いくら返すのが理想的なのかについて今回はお話ししようと思います。

住宅ローンの借入額
住宅購入の予算は「年収の〇倍だ」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?ただ、年収だけをベースにして購入を検討することはあまりお勧めできません。住宅金融支援機構が行った2022年の統計調査では新築一戸建てで年収の6.9倍、新築マンションで7.2倍、中古一戸建てで5.7倍、中古マンションで5.9倍という結果が出ています。あくまで参考程度の数字ですが年収の5倍~7倍が平均予算という目安でしょう。
ただし、当然全額ローンという事は限りません。貯蓄や補助金、またはご両親からの援助金なども考えられる方もいるかもしれません。(参考までにですが、住宅購入に関しては両親からの援助金は1,100万円まで非課税となります)そういった金額をなるべく多くして借入金を抑えることは一つのポイントです。そして肝心の住宅ローンですが、借入額はあなたの収入、支出、信用情報、頭金の額、金利、返済期間などの要素によって決まります。以下に、具体的な計算方法と考慮すべきポイントを挙げてみましょう。
収入と支出のバランス
まず、年収から借入可能額を計算します。一般的には、年収の30%を上限として住宅ローンの年間返済額を設定することが推奨されています。
例えば、年収が500万円の場合、年間返済額は最大で150万円(月々約12.5万円)となります。また、他の借入金や支払い義務を考慮に入れ、総支出が年収の50%を超えないようにすることが重要です。これにより、生活費や緊急時の費用も十分に確保できます。
信用情報の評価
金融機関は、借入者の信用情報を元に融資判断を行います。過去の借入履歴や返済状況が良好であるほど、高額な借り入れが可能になります。信用情報を改善するためには、クレジットカードの利用履歴を良好に保ち、定期的にローンの返済を行うことが重要です。
頭金の額
住宅購入時に支払う頭金の額が多いほど、借入額は少なくなり、返済負担も軽減されます。一般的には、物件価格の20%程度を頭金として準備することが推奨されます。例えば、物件価格が4000万円の場合、頭金は800万円程度が理想です。
返済計画の立て方
借入額の凡そのイメージアが出来たら、次は返済についてです。返済計画を立てる際には、返済期間、金利、返済方法を考慮することが重要です。具体的な計画の立て方について考えてみましょう。返済期間の設定
返済期間は、一般的に30年から35年が多いですが、短期間で返済することで総返済額を減らすことができます。例えば、30年ローンの場合、毎月の返済額は少ないですが、総返済額は多くなります。一方、15年ローンの場合、毎月の返済額は多くなりますが、総返済額は少なくなります。
金利の選択
金利には、固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は、返済期間中の金利が一定であるため、返済額が安定しています。一方、変動金利は、市場金利に応じて金利が変動するため、返済額が変動します。長期的な安定を望む場合は固定金利を選択し、短期間での返済を計画する場合は変動金利を選択することが一般的です。
返済方法の選択
返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。元利均等返済は、毎月の返済額が一定であるため、計画が立てやすいです。一方、元金均等返済は、初期の返済額は多いですが、元金が減るにつれて返済額も減少するため、総返済額が少なくなります。
最適な返済計画の立て方
では最適な返済計画を立てるためには、どうすればよいのか。大事なポイントを3つ挙げてみます。総返済額の把握
当然ですが借入額、金利、返済期間を元に、総返済額を計算し、無理のない範囲で計画を立てることが重要です。
また、臨時収入などがあった場合など積極的に繰り上げ返済を行うことで、総返済額を減らすことができます。
生活費の確保
住宅ローンの返済額だけでなく、日常の生活費や緊急時の費用も考慮に入れ、収入と支出のバランスを保つことが重要です。急な支出や収入の変動にも対応できるように、余裕を持った返済計画を立てましょう。年収の25%を目安に返済額を設定すれば余裕をもって返済していく事が出来ると思います。返済額が30%程度になるとちょっと厳しく35%になるとかなり節制した生活を送らなければならないのではないでしょうか。
資産の運用
頭金や繰り上げ返済に充てる資金を効率的に運用することで、総返済額を減らすことができます。例えば、定期預金や投資信託など、低リスクで運用できる金融商品を活用することも一つの方法です。
まとめ
住宅ローンの借入額と返済計画を立てる際には、自分の収入、支出、信用情報、頭金、金利、返済期間など、さまざまな要素を考慮することが重要です。無理のない範囲で計画を立て、生活費や緊急時の費用も確保しながら、長期的に安定した返済を続けることが大切です。せっかく夢の新居を手に入れたのに返済に追われて十分に楽しめなければ意味はありません。無理のない返済計画を立てマイホームライフを楽しみましょう。関連キーワード
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