匠のコラムColumn

木造住宅の耐震対策と地盤の関係は、地震に強い家を建てるうえで非常に重要なテーマです。どんなに頑丈な建物でも、弱い地盤の上に建っていれば被害が大きくなりやすいため、この2つは密接に関係しています。

地盤とは?住宅にどう影響するのか

地盤とは、建物を支える地面のことを指します。地盤の状態によって、以下のような影響があります。

・固い地盤(岩盤や砂礫層):地震の揺れが小さく、建物の倒壊リスクが低い
・軟弱地盤(埋立地・粘土質):揺れが大きくなり、液状化や不同沈下のリスクが高まる

地震時には、軟弱な地盤ほど揺れが増幅されやすく、建物へのダメージが大きくなります。

地盤調査の重要性

◇地盤調査とは?
建築前に地盤の強さや構成を調べる調査のこと。これにより、基礎の設計方針や地盤改良の要否を判断します。

◇主な調査方法
・スウェーデン式サウンディング試験(SWS):戸建て住宅で一般的。簡易的に地盤の硬さを測る。
・ボーリング調査:より精密で費用は高め。大規模建築や不安定な地盤に用いられる。     

地盤に応じた基礎・改良対策

地盤の状態により、以下のような対策が取られます。

・良好な地盤:一般的なべた基礎や布基礎でOK
・軟弱な地盤:地盤改良工事が必要(表層改良、柱状改良、小口径抗

◇地盤改良工事の種類
・表層改良:地表から1~2m程度の浅い軟弱層に有効。
・柱状改良:柱状に地中を固めて建物を支える(深さ5~10m)。
・鋼管杭・小口径杭:より深い支持層まで杭を打つ方法。     

木造住宅の耐震対策(建物側)

地盤対策と並行して、建物自体の耐震性も高める必要があります。

◇構造的な対策
・耐震等級の確保:等級1〜3まであり、等級3が最も耐震性が高い。
・壁量計算とバランスの良い配置:耐力壁をバランス良く配置。
・接合部の補強:金物や筋交いの強化。
・ベタ基礎:建物全体を面で支え、地震や不同沈下に強い。

◇制震・免震技術(木造でも可能)
・制震ダンパー:揺れを吸収し、繰り返しの地震に強い。
・免震装置:高価だが、地震の揺れを大幅にカット可能。     

地盤と建物の総合的な関係

建物が安全かどうかは、**「建物の耐震性」×「地盤の安定性」**の掛け算で決まります。
・地盤が悪い × 建物が弱い → 倒壊リスク高
・地盤が良い × 建物が弱い → 一定の安全性はあるが不十分
・地盤が悪い × 建物が強い → 建物に過大なストレスがかかる
・地盤が良い × 建物が強い → 最も安全

まとめ

・地盤:地震時の揺れに直結。調査と改良が重要
・基礎:地盤に応じた設計・施工が不可欠
・建物の耐震性
・構造、耐震等級、接合部の強化で向上
・相互関係:地盤と建物のバランスが最重要

Contact
ご相談予約・お問い合わせ

新築やリフォームについてご検討の方は、以下の電話番号、またはお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

電話番号

HPからのお問い合わせ・資料請求はこちら
  • facebook
  • twitter
  • instagram