匠のコラムColumn

暖かい家 2017.03.02 家づくり

今までの日本の木造家屋は、建物の断熱性を高める発想などなく作られてきました。隙間風が入り気密性も悪く冬は寒いのが当り前で、先進国の住宅と比べても厳しい住環境であったと思います。冬場の夜間の晴天時、放射冷却で大気が冷やされ外気が氷点下近くになると、朝方室内でも吐く息が白いなどと笑い話にもなる位でした。そしてようやく最近の住宅では気密、断熱を高める技術や工法が開発され暖かい家が確立されつつあります。その様な家を作るには床、外壁、天井の気密、断熱の性能を高めると共に窓の断熱性能を高める事も重要になります。さらに南側の窓ガラスは日射取得型のガラスを使い太陽熱のダイレクトゲインも取込むようにします。一旦暖められた部屋の室温は下がりにくく快適に過ごせます。また少ないエネルギーで温度調整できますから経済効果も期待できます。そして暖かい家は快適なだけではなく、寒い浴室やトイレでのヒートショックと言われる心臓発作や脳疾患など家庭内の事故のリスクも減らす事ができます。

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